知事記者会見記録(平成19年10月12日)より、岩手競馬に関する部分の抜粋


10月12日の知事記者会見では岩手競馬についての質疑応答がちょっとしかなかったので、抜き出しちゃったほうが読みやすいだろうと、抜粋なぞしてみました。

■記者


 岩手競馬についてお聞きしますが、今度3回目の収支計画の見直しに入らざるを得ないと思います。県議会の一般質問でも見通しは甘かったのではないかという指摘があったのですけれども、3回見直さなければならなくなった要因というのは何だったのか改めてお聞かせください。


 次に、厩舎関係者とか関係企業では、もうこれ以上のコスト削減は厳しいという意見もかなり出ています。どういう方針で今度のコスト削減に臨むのかお聞きします。



■知事


 大きな原因は、当初予算が売り上げを過大に見込んだ甘い見通しのものであって、まずそこが主要な原因だと思います。当時、岩手県議会でも半分くらいの議員がこれではだめだと反対していたわけで、その当初予算とのギャップが実際やってみたら、やはり出てきたということだと思います。


 私は、当初新計画のスキームに従った年度途中のコスト削減については、早い段階で思い切り下げるほうが、その後余裕を持って経営できるのではないかなということも考えていたのですけれども、そこは関係者の方々の話し合いの中で、余裕を持ってさらにコストを下げて、余ったら来年使うみたいなやり方では、かえって勤労意欲の面とか、風評被害的な面とかのマイナス要因も大きいので、均衡ぎりぎりぐらいを見据えたコストカットの仕方が望ましいということで、かなりの額を削減しました。それでも、今2億円くらいまだ足りないということなのですけれども、その足りない分のコスト削減を行うというスキームが機能して、関係者の話し合いを始めようというところです。


 したがって、具体的にどこで幾ら削減ということは、これから話し合って決めることですので、今の段階では決まらないのですが、ただ新計画という、赤字になったらもうそこで競馬は廃止というルールを理解した上で、コスト削減を春、夏にした際も、感触からすると、とにかく年度を通じて赤字にはしないということについては、関係者は強い覚悟を持っているという印象を受けていますので、今年度分についてはコストの引き下げによる黒字の確保はできると思っています。





■記者


 先ほどの岩手競馬に関連してなのですけれども、先日南部杯という大きなレースがありました。目標値に対する売り上げが低迷してしまいまして、今の現状をどう認識しているかという部分と、南部杯に限ってどういう部分に売り上げの伸びなかった要因があったと考えているのか改めてお聞きします。また、今後の対応なのですけれども、コスト削減だけではなくて、売り上げを伸ばす部分について知事ご自身はどのように考えているのか伺います。



■知事


 今正確に思い出せないのですけれども、中央競馬との兼ね合いで南部杯については売り上げが思ったより伸びなかったと記憶していまして、それがまず大きかったと思います。あとは、馬インフルエンザの発生で夏のころの売り上げがかなり落ち込みまして、一方馬インフルエンザの沈静化に伴って売り上げは回復をしてきていまして、この間の週末でしたか、自場分では計画を上回る売り上げも実績として出てきているところです。馬インフルエンザ騒動といいますか、レースそのものにはあまり影響はなかったのですけれども、風評被害と言っていいのか、色々な騒動、混乱、そういった総合的な理由でかなり落ち込んでしまったということからは、急速に回復してきていると思います。ですから、今後は修正した見通しの100%水準に沿ったような売り上げの動きをするのではないかと今私は考えているところです。


 売り上げ増は、色々な要因があり得ると思っています。景気がよくなればそれが一番なのですけれども、「どんど晴れ」の最後の週あたりで加賀美屋が経営危機で破綻しそうになったときに、それまでの加賀美屋を利用したことのある人たちが全国で一斉に加賀美屋を守れみたいなことをして、加賀美屋が守られたという劇的な展開がありました。岩手競馬に関しても、この間、日高地方で軽種馬の生産をしているところから、種付け権利を提供いただき、それで冠のレースをやるという助け船がありまして、そういったところから岩手競馬を守ろうという、あるいは経営の抜本改革に関して研究させてほしいとか、色々な申し出が、インフルエンザ騒動で苦しんでいるあたりからたくさん救いの手が差し伸べられてきていまして、災いが転じて福となるということもあると思っています。そうした盛り上がりが競馬ファンの皆様の盛り上がりにもつながれば、競馬組合の現場で死にものぐるいの対応をすることで、売り上げ増というのは、これからかなり可能性はあると思っています。



知事記者会見記録(平成19年10月12日)